サイ・トゥオンブリーの写真/キュリオ定期便

昨年、原美術館とハラ・ミュージアムアークでの展覧会が話題になり、
国内で、一気に注目の的になったサイ・トゥオンブリーの展覧会が、
今度は、写真に焦点を当て開催される。

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「室内」1980年 カラードライプリント、厚紙 個人蔵 © Nicola Del Roscio Foundation, Courtesy Nicola Del Roscio Archives

トゥオンブリーが写真を始めたのは、23歳の時に参加したブラック・マウンテン・カレッジの授業。
ピンホール・カメラに熱中したトゥオンブリーは、絵画制作の傍らで、
主にポラロイドを使い撮影し続けていたという。

2
「チューリップ」1985年 カラードライプリント、厚紙 個人蔵 © Nicola Del Roscio Foundation, Courtesy Nicola Del Roscio Archives

今回展示される作品は、薄いヴェールをかけたような独特の感触を持つ。

3
「スペルロンガ IV」2010年 カラードライプリント、厚紙 個人蔵 © Nicola Del Roscio Foundation, Courtesy Nicola Del Roscio Archives

これは、ポラロイドという焦点の合いにくいカメラの特性と、
撮影した写真をざらついた紙に複写するプレセスによって生み出される。

4
「未完成の絵」2006年 カラードライプリント、厚紙 個人蔵 © Nicola Del Roscio Foundation, Courtesy Nicola Del Roscio Archives

ロマンティックな象徴主義者サイ・トゥオンブリーは、
自ら映しこんだ作品を、あえて盲目な方向に振り切ることで、
新しい視覚体験の世界を表現している。

サイ・トゥオンブリーの写真-変奏のリリシズム-
DIC川村記念美術館(千葉県佐倉市坂戸631番地)
2016年4月23日(土)~8月28日(日)
http://kawamura-museum.dic.co.jp/

文:渡木章浩

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